こんにちは。 新米監督の土山です。

 

今回はIS(international safety management system)コードについて話したいと思います。

 

ISMコードとは日本語で国際安全管理コードと言います。平たく説明すると全世界共通の乗組員作業マニュアルです。これを基に各社、自社の特色に合わせたSMS(ship safety management system)コードを作成します。

 

 

何故、この様なマニュアルが必要かと言いますと、タイタニック事故を契機にSOLAS条約が出来たにも関わらず、今度は人的要因による事故が後を絶たなかったためです。SOLASは船体構造や設備等のハード面をターゲットにしていたのでソフト面である人的要因までカバーできていなかったのです。

 

 

現在は、ISMSOLASに組み込まれているのでISMに従うことが強制されています。政府から発給される証書の中にDOC(document of compliance)というものが在りまして、これは会社で作成したSMSが適正であると政府が判断した時に発給されます。

 

 

これがないと船や、船員、荷物を持っていたとしても船を運航することがそもそも許されません。ですので、船会社にとって最も大事な証書と言えるかと思います。DOCを取得するためにSMSを作成し、SMSISMを基に作成するのでISMはとても重要なマニュアルになります。

 

 

自分が船に乗っているときは、「こんな分厚い本誰が読むねん」と思っていましたが陸上勤務を通してISMの重要性を知ることが出来て、本当に良かったと思います。陸上勤務を経験せずに船長まで昇進してしまっていたら、「誰が読むねん」の考えのままになっていたに違いありません。

 

 

これからも陸と海の両方の視点から勉強していきたいと思います。