電気自動車は、テスラや中国勢に大差をつけられてしまったという印象がありますが、電気自動車の次世代電池の本命とされる「固体電池」の分野では、日本勢が圧倒的に先行している様です。電気自動車はガソリンエンジン車に比べて部品数が少なく、部品を買ってきて組み立てれば誰でもできると言われ、組み立てコストが安い国が有利とも言われていますが、実は、それら部品のコアテクノロジーまで話が及ぶと、随分と見える景色が違って来ます。
「固体電池」の特許数では、1位のトヨタが2位のパナソニックに3倍の差をつける特許数となっており、2位以下10位までに日本企業が4社ランクインしています。
トヨタ、全固体電池の特許数首位 早期実用化が課題:日本経済新聞社
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日本経済新聞が特許調査会社パテント・リザルト(東京・文京)と共同で、日米欧中など10カ国・地域と、世界知的所有権機関(WIPO)など2機関に出願された全固体電池関連の特許を調べた。2000年から22年3月末までに公開された特許数の首位はトヨタで、1331件だった。2位はパナソニックHD(445件)、3位は出光興産(272件)が続き、日本勢がトップ3を独占した。上位10社中6社を日本企業が占めた。
(中略)
トヨタは20年代前半に全固体を搭載したハイブリッド車(HV)を発売する予定で、日産自動車やホンダも20年代後半に全固体を載せたEVの販売を始める計画だ。一方、独フォルクスワーゲンなど海外大手もこぞって全固体搭載モデルの投入計画を打ち出している。日本勢は培った知財基盤を生かして、いかに市場開拓でも海外の競合他社に先行できるかが今後の焦点となる。
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そもそも、「固体電池」とは何なのか?
電池は「電極」「活物質」「電解質」で構成され、電解質の中をイオンが負極から正極の間を動き回ることで、電気を発生させます。ボルタ電池やリチウムイオン電池では、この「電解質」が液体でしたが、全個体電池では「電解質」が固体なのだそうです。
更に、詳しくお知りになりたい方は、下記のページで三津村直貴さんが詳しく書かれています。
「全固体電池」をやさしく解説、従来の電池との違いや実用化の見通しは?:ビジネス+IT
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全固体電池とは、電流を発生させるために必要でこれまで液体だった「電解質」を固体にした仕組みの電池のことです。
電池は主に「電極」「活物質」「電解質」で構成されており、活物質や活物質に含まれるイオンが電解質というプールの中を泳ぐことで電極間(負極から正極の間)に電子を通し電気を発生させています。つまり、電池を構成する電解質は「イオンが素早く動き回れるような特性」を持っていなければならないのです。
人間で言えば、電解質は血液に含まれる水分のような立ち位置です。血液中の水分が失われてしまえば、栄養や老廃物の移動がスムーズに行かず脱水症状を起こします。電池も同様で、電解質が失われたり凍って固まったりすれば、電気エネルギーの移動がスムーズに行えなくなって電気が流れなくなります。
電池は主に「電極」「活物質」「電解質」で構成されており、活物質や活物質に含まれるイオンが電解質というプールの中を泳ぐことで電極間(負極から正極の間)に電子を通し電気を発生させています。つまり、電池を構成する電解質は「イオンが素早く動き回れるような特性」を持っていなければならないのです。
人間で言えば、電解質は血液に含まれる水分のような立ち位置です。血液中の水分が失われてしまえば、栄養や老廃物の移動がスムーズに行かず脱水症状を起こします。電池も同様で、電解質が失われたり凍って固まったりすれば、電気エネルギーの移動がスムーズに行えなくなって電気が流れなくなります。
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半導体生産数では劣るものの、半導体製造装置や半導体の基本部材などの多くに日本製が使われている現状に似ていると感じ、基礎研究の大切さを改めて認識しますね。
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