お久しぶりです。
今回は、海技免状試験について、ふと丁度この時期、昨年私が口述試験を受験したことを思い出しましたので、その時のお話をしたいと思います。
海技免状は、筆記試験・乗船履歴取得・口述試験をクリアして初めて海技免状取得となります。私の卒業した商船高専では、筆記試験が免除で、練習船で乗船履歴を取得、その後、口述試験を受ける流れになっています。
卒業後の口述試験は、練習船を降りてすぐ受験の早期受験と定期試験に分かれます。私は定期試験でしたので、12月とかなり時間に余裕がありました。
時間に余裕がありましたが、口述試験の範囲は、広く覚えきれるわけがないと思いながらも、過去問、口述対策本を繰り返し、勉強し、十二分に準備をして試験に挑みました。
定期試験で受けた私は、試験官と1対1での試験でした。早期受験組には、試験官1人対受験者3人と聞いており、それに応じたロールプレイを行っていた私は、出鼻を挫かれました。ただ助かったのは、初めに試験官から、口述試験は落とす為の試験ではなく、合格させる為の試験ですから頑張ってください。と言われ衝撃を受けたと同時に気持ちが少し楽になったことを今でも覚えています。
ここで1問、私が質問されて慌ててしまった問題を紹介したいと思います。
それは、航海の分野でよく聞かれるランニングフィックスについてです。ランニングフィックスとは一つの物標で船位をだす方法で下記手順にて行います。
https://fune-gaku.com/lecture/navi-technique/post-6027/#i-3
1.A点で、物標の方位と時間を記録する。
2. 1回目の方位線を引く
3.進路・速力を保ったまましばらく進んでから、もう一度物標の方位を測定し、その方位の線を海図に記入する。
4.進んだ時間×速度で出た距離の分だけ、最初の方位線から測って進路方向に線を引く(航程の線)航程の線が2回目の方位線と重なる位置まで航程の線を平行移動させる。
5. 2回目の方位線と平行移動させ重なった点が船の位置になります。
実際の航海では、風や潮流などの影響があり、海図上で推定する航跡と実際に航海した航跡が異なります。したがって、精度は一般的にクロスベアリングよりも低くなりますと、ここまで答えれば満点だと思います。
これらの手順を実際にホワイトボードに書いて説明をしました。口頭だけでなく書いて説明することもあるので、注意が必要で、私は書いて説明して下さい。と言われ慌ててしまいました。
今回お話したのは、私が受験した時の事であり、全員同じ試験とも限らないと思いますが、イメージが少しでも出来れば良いなと参考程度に書きました。
私も勉強の毎日ですが、今後受験を控えている皆さんが、これから船乗り、海技従事者となる為の第一歩、口述試験を晴れて合格され、無事海技免状を取得されます事を祈っております。
日々勉強!!
村上 琢磨
Login to comment