ご質問:

私、運航管理をしているのですが、先日、バンカーを取ったところ、本船側が確認した補油量とサプライヤー(バンカーバージ側)が補油したという量に違いがあり、どちらも正しいと主張しあっていて収拾がつきません。2度と同じことを起こさないためには、どのような対策を講じるべきでしょうか?  

 

ご回答:

バンカーに関するトラブルは、かなりの頻度でおきています。特に多いのが品質の問題と数量の問題です。サーベイヤーを雇って、中立的な立場で品質や数量を判定してもらうのが良いと思います。サーベイヤーを雇えば当然費用がかかりますが、粗悪油を入れられてエンジンが損傷すれば、莫大なコストがかかりますし、今回のように数量で揉めただけでも、解決に要する貴方の労力、拗れれば仲裁人や弁護士費用は、サーベイヤーの費用を軽く上回ります。なので、私は、補油する際は、サーベイヤーを雇用することをお勧めします。

 

万一、サーベイヤーを手配できず、補油時にトラブルが発生した際は、本船にバンカー受領書に絶対サインせず、直ちに、運航者、船主、管理会社に通報することを予め指示をしておくべきと思います。また、本船は、バンカー受領書にサインしないだけでなく、PROTEST LETTER を作成し、「本船は、この数量に不同意である!」ことを表明させることも大切ですね。ただし、それらが、その後にどれくらい効力を発揮するか?疑問です。

 

正直、本船乗組員は船主に属し、補油は運航者案件なので、補油に関して乗組員の意識はそれほど高くありません。また、補油作業で揉めれば、運航者に揉めた時間をオフハイヤーにされるリスクもあるので、乗組員は巻き込まれたくないと考えるのが人情でしょう。

 

 

故に運航者は、自分のリスクは自分でコントロールするという観点から、補油の際は、サーベイヤーを雇うべきだと思います。