ご無沙汰しております。
ネタ切れで暫く更新できていませんでした。
今後は新しく学んだことだけでなく、自分の既存知識も投稿していこうと思います。
今回は国際信号旗について簡単にお話ししたいと思います。
引用元: signalflags1.gif (800×754) (marine-guide.com)
電子通信が発達する以前、中世ヨーロッパの時代から船舶間でのコミュニケーションは旗を使って行われていました。
その後、1857年に国際信号書が確立され全世界共通で使用する旗、旗の意味、組み合わせ方等が決定し、今日まで使用されています。
現在では船舶間や船舶と陸上との通信はVHFやAISを使用して行われますが、それでも行先を示す旗や危険物を積んでいることを示す旗を掲げるように法律で規定されています。
湾内で船がごった返していたり、VHFやAISでの通信が困難な時は相手船の行先信号旗を確認して操船することが極稀に有るので現在でもある程度有用です。
また、航路内で行先信号を掲げていないと法律違反で海上保安庁から掲げるように注意を受けてしまうので船では必ず決められた旗を掲げるようにしています。
では夜は見えないのに旗を揚げるのかとなるのですが、夜は汽笛でモールス信号を鳴らすように規定されています。
さすがに航路を走っている船が全部汽笛を鳴らしていると、各方面に迷惑なので、法律で決められているものの、実際に鳴らしている船はいませんし、鳴らしなさいと注意されることもありません。 汽笛に関してはグレーな感じです。
旗には1つ1つ意味がありまして、例えばB旗だと「危険物を積載中」P旗だと「これから出港するので全員帰船せよ」という様に、1枚の旗に意味が込められています。
さらにこれを2枚、3枚と組み合わせると全く異なる意味になります。
よく使うのがUWで「貴船の御安航をお祈りします」となり、練習船等が出港するときに岸壁からUWを振ってくれる人が居たりします。
これに対する返答で船はUW1を掲げます。
修繕等でドックから出て試運転するときには、通常航行している船と違い、でたらめな動きをするため、他船が混乱しない様にRU1「本船は試運転を行っている」という旗を掲げます。
この様に旗の意味は組み合わせにより山ほど意味を持っているので、覚える事は不可能です。
よく使うものは使っているうちに覚えていくのですが、RU1なんて殆ど使うことがないので、船にある国際信号書を索引して掲げていました。
ですので、旗の意味を覚えることより、どういうときに旗を掲げるのかを覚えておけば後は信号書を見ればなんとかなるので簡単で覚えられる数も多くなります。
本来であれば旗を覚えておくべきなのでしょうが、今まで船に乗っていて旗に自信アリなマニアックな方は見たことがありません。
ただし、行先信号になると話は変わります、自分が通航する航路で決められている信号旗やバース毎に決められている旗は覚えておかないと瞬時に操船判断することが出来ません。
現在はAISの行先設定にJP YOK DE (横浜港大黒埠頭東側)等、掲げる旗と同じ文字を入力する様になっています。
これを覚えておけばレーダーやECDIS(もちろん、実際の旗でも)で他船情報を見た瞬間に相手船がどこに行くのか理解できるので、相手船の減速や変針するタイミングを予測することが出来、安全に港内へアプローチすることが出来ます。
外航船ですと殆どPILOT(水先案内人)が操船するのでPILOTはその水域の全ての旗を理解しているはずです。
因みにPILOTが乗船している船はH旗、PILOTを求めている船はG旗を掲げるようになっています。
覚え方としてはI Have PilotとGive me Pilotで覚えると分かりやすいです。
以上、国際信号旗に関するお話でした。
ネットで調べるとそれぞれの旗の意味などが出てくるので、興味がある方は見てみてください。
個人的にはヨットレースでも旗を使うのですが意味が全く違うので頭が混乱してしまうことがたまにあるので、乗船中はヨットのことは全て忘れようと思います。
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