こんにちは、レイです。
船隊整備を簡単にお話をすると「輸送需要に合った船を複数揃える」ことだと思うんです。
ブレイクバルク輸送は、原則、不定期なサービスですけど、狙った市場でプレゼンスを示して、荷主さんに 「この地域でサービスをしている海運会社がいますよ~!」ってアピールして、気が付いて頂くことが大切だと思うんです。そのためには、不定期とは言え、ある程度頻繁に船を走らせないといけないわけです。頻繁に船を走らせるためには、ある程度複数の船が必要ですよね。つまり、ある程度複数の船=船隊で、それを整えるのが船隊整備だと理解しています。
なんでもかんでも、船を用意すればよいわけではなくて、そこには2つのキーファクターがあると思います。
1)船型的に運ぶ貨物にフィットしているの?
港湾経費、荷役費、スピード、燃料費などが安く収まり、かつ、一回の船積需要に、過不足なく応えられる大きさの船なの?ってことです。ムダに大きな船だと港湾経費が高くなりますし、燃料消費量も多くなります。
自動車の様に自分で走り込める貨物なら、自動車船の様にランプウェイが装備された船で輸送すべきです。在来船でクレーンで吊り込めば荷役費用は2倍以上になるからです。
このように船型や性能に関するファクターを私は「船型の観点」と呼んでいます。運ぶ貨物によって船は選ぶべきですよね。
2)用船コスト高くないの?
私は、営業して貨物を沢山集めてるんですが、航海損益を計算する時、一番大きなコストは用船料なんですよね。隙間なくパンパンに積んで売上を最大にしても、用船コストが高いと、結局、利益は増えないんです。いくら頑張っても限度は決まってるんです。つまり、利益を出したいなら用船コストが安い船を集めないとダメなんです。これを私は「用船コストの観点」と呼んでいます。
というわけで、私は、船型の観点と用船コストの観点が、船隊整備のキーファクターだと考えました。このファクターに沿って競争力がある船を選ぶことが船隊整備なんだろうなと思います。
まず、運ぶ貨物から R O R O船で運ぶ方が良いのか?それとも L O L O船(在来船)で運ぶ方が良いのか?を考えます。
時々、RORO船とLOLO船をミックスさせた方が良いという結論にもなるんですが、 そんな時は、R O R O船と L O L O船の比率をどうするのか?を考えます。
船型の観点から船隊のコンセプトが決まったら、次は用船の観点、つまり、用船コストを安く抑える検討をします。用船は、新しく船を作って船を調達する方法、中古船を買って船を調達する方法、借りて船を調達する方法の3つがありますよね。
「私が必要な時に限って、船の調達コストが高いんだから!」と考えていた時期もありましたが、「私が船が欲しい時は、みなさんも欲しいわけなので、当たり前だわ」と考えられるようになりました。
正直、会社が、どのようなプロセスで船を仕入れられているのか知らないのですが、先日、上司にこの話をしたら、「理屈はそうだね」って言って頂けたので、書いてみました。
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