こんにちは、

先日スノーボードで捻挫して足を引き摺っている土山です。これから暖かくなってヨットとバイクの季節に入っていくので、早く治したいところです。 気が付いたら入社してから半年以上が経ち、船を降りてからは一年が経ってしまいました。そんな中、自分が海を離れている間に、日本沿岸で新たに航行ルールが出来るそうなので、これについてご紹介したいと思います。

和歌山県に潮岬という岬が在りまして、日本沿岸を航行する船舶は潮岬沖2~3マイル周辺を変針目標にして航行しています。(小型内航船は座礁するんじゃないかと心配になるくらい陸に寄って走っています。逆に外航船はかなり沖を悠々と走っています。)

それまでは、それぞれの船がそれぞれのコースラインで走っていたのが、この潮岬周辺に来ると変針目標に向けてグッと集まってくるのでいきなり混雑してきます。さらに大阪湾に入る船、大阪湾から出てきた船もこの集会に参加してくるので、タイミングによっては他船とかなり接近することがあります。自分は危なそうだなと思ったら事前に予定コースラインよりも少し沖を走るようにしていました。

基本的には、船の流れが出来上がっているので、前の船に付いていくか、自分のように沖に逃げれば危険なことはありません。(たまに突っ込んでナンボという考えで、他船を避ける為に、どんどん陸に近づいて逃げ場が無くなって勝手に焦っている人がいます)

話を戻して、この船が集まってくる潮岬沖に6月から推薦航路が、バーチャルAISブイによって出来るとのことです。推薦航路とは、法律では定められてはいませんが、ここを走ったほうが安全ですよと官庁が促している航路のことです。とは言いつつも、IMOで審議され採択された航路なので、かなりオフィシャルなものになります。日本が勝手に決めているわけではないんですね。

そしてバーチャルAISブイは、実際は海上にブイは無いのですが、VHF電波によってレーダー画面上にAIS情報として表示されるブイで、日本には現在2か所(東京湾入口、大島北西部)設置されており、これで3つ目になります。

これの良い所は、設置に費用、時間がかからないこと、接触事故の危険が無いことです。悪い所は、航海計器が壊れたら視覚では何も分からないことです。まぁ、レーダー2台、ECDIS2台が、一気に壊れることなんて、まずないとおもいますが・・・。

東京湾入口については、このバーチャルAISブイのおかげで、操船がかなり楽になりました。個人的にバーチャルAISはかなり好きです。(東京湾入口でAISブイ通りに走らなかったり、横切ったりすると、すぐに保安庁に呼ばれてお叱りを受けます。そのブイが、出来立てホヤホヤの時は怒られている船を結構見ました。)

この間は、中国で新たな航路が設定されていましたので、世界的に船舶交通の円滑化を図ろうとしているのを感じます。これからもこのような情報を逃さないようにして、管理船をサポートできるようにしていきたいと思います。