今月いっぱいで39年間勤めた会社を退職するオジサンが送別会で、調子に乗って偉そうなことを言ってました。でも、まあ、役に立つかもしれないので、忘れないうちに書いておこうと思います。
 
 
 
海運は、船を使って貨物を運ぶ仕事なので、船のコストが安ければ必ず競争に勝てます。例えば、運賃の総額が3,000万円だとして、船のコストが2,500万円であれば、500万円の利益が出ます。でも、船のコストが3,000万円だったら利益はでません。ただ、これだけのことです。
 
(もちろん、船のコスト以外にも貨物の積み揚げ作業や燃料などが掛かりますが、これらの費用は自社でも他社でも、ほぼ同じ金額なので競争優位には影響しません。)
 
” ひたすらに船のコストを下げる努力 ”、つまり船を安く仕入れる努力を続けるだけで、競争優位となり、それを維持することができます。安く資金を調達自分で船を造り自分で管理する、これだけです。
 
営業力?そんなもの要りません。
 
荷主さんは、” 競争力のある運賃 ” にしか興味はありません。” 競争力のある運賃 ” を提供できれば、貨物は潤沢に集まります。だって、大口の貨物は入札で決まるんですから。
 
” 競争力のある運賃 ” は、優れた財務船舶管理 によって創出されます。
 
この理屈は、ちょっと考えれば誰でもわかることなんですが、実は、ほぼ実行できていません。
 
なぜか?
 
それは、成果を実感できるまで長い時間が掛かるからです。大抵の会社では、10年後に成果が出る提案は採用されませんし、一方、その10年後に恐らく自分は居ないと考えれば、そんな提案をする人も居ません。
 
というわけで、かなり優秀なワンマン社長であっても、わかっちゃいるけど・・・です。
 
30歳代の人が投資家を説得して起業し、” ひたすらに船のコストを下げる努力 ” を社是にしたら、10年後にはボロ儲け、かも。
 
香港の Pacific Basin という会社を創立した人は、確か、一歩を踏み出した人だったと思います。
 
若い人、がんばれ!
 
 
 
だって、エッへへぇ。
 
いつも、全速フルパワー
Always full speed, full power
 
犬塚義暁